ギターのアドリブが渋くなる音|ブルーススケールとブルーノート
ギターのアドリブやソロを渋く・色っぽくしたい人へ。ブルーススケールの正体である「ブルーノート(♭5)」の仕組みと使い方を、Aを例に音を鳴らしながら解説します。
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ブルーススケールとは?
ギターのソロやアドリブで、ふと出てくる「うなるような」「泣いているような」一音。あの渋さの正体がブルースケール、なかでもブルーノートと呼ばれる音です。よく使う A(イ)を基準にすると、ブルーススケールは A・C・D・E♭・E・G の6音。これは多くのギタリストが指に覚えているマイナーペンタトニック(A・C・D・E・G)に、E♭という1音を足しただけの音階です。この足された E♭(♭5=減5度)こそが、ブルースらしさを生む「ブルーノート」です。
まず聴いてみる
理屈より先に、足した1音で響きが変わる瞬間を耳で確かめると早いです。上の試聴ボタンで、まずマイナーペンタトニック(A・C・D・E・G)を聴き、次にブルーノート(E♭)を加えたブルーススケール(A・C・D・E♭・E・G)を聴いてください。E♭が D と E の「あいだ」を通り過ぎる瞬間、急に粘っこく、にじんだ表情が出るのがわかります。
スケール辞典でも確認できます。
- スケール辞典を開く
- ルートを A、スケールを「ペンタトニックマイナー」にする
- 鍵盤をなぞって5音(A・C・D・E・G)を覚える
- 同じルートで「ブルーススケール」に切り替え、増えた E♭(D と E のすき間)を聴く
どんな音階か(仕組み)
ブルーススケールは、構造としてはマイナーペンタトニック+1音と覚えるのが一番早いです。
- マイナーペンタトニック: A・C・D・E・G(度数で 1・♭3・4・5・♭7)
- 足す音: ブルーノート E♭(♭5=減5度)
- できあがり: A・C・D・E♭・E・G(1・♭3・4・♭5・5・♭7)
ポイントは E♭ が、4度(D)と5度(E)のちょうど間に挟まること。半音でぎっしり詰まったこの D–E♭–E の3音が、ブルーススケール特有の「ヌメっとした」「引きずる」響きを作ります。
ブルーノートは「鍵盤にない音」だった
ここがこの音階のいちばん面白いところです。ブルーノートはもともと、ピアノの鍵盤にきっちり収まる音ではありませんでした。ブルースは歌や弦のチョーキング(ベンド)から生まれた音楽で、ブルーノートは音と音のあいだ——たとえば E より少し低く、でも E♭よりは高い、その中間あたりを声やギターで「ずらして」鳴らす音だったのです(参考: Blue note - Wikipedia)。
つまり、楽譜やアプリ上で書かれる ♭5(E♭)は、本来はピッチが揺れる中間音を、固定音程で近似したものです(参考: Blues scale - Wikipedia)。だから演奏では、E♭を「目的地」としてどっしり置くより、通り過ぎる経過音として使うのがコツです。D から E へ上がる途中、あるいは E から D へ下がる途中にチラッと触れる。ギターならチョーキングで E♭から E へ少し持ち上げると、あの「泣き」が出ます。
どんな曲で使われているか
ブルーススケールは名前のとおりブルースの土台ですが、そこから派生したロック、ジャズ、R&B でも欠かせません。ギターソロのうなるようなフレーズ、ロックのリフ、ジャズのアドリブにある「外れているのに気持ちいい」一音は、たいていこのブルーノートです。コードがメジャーでもマイナーでも、上に重ねたメロディー側でブルーススケールを使うと、一気にブルージーな空気になります。
作る人向け:渋さを足す近道
オリジナルのソロやリフを「もうひと味、渋く」したいとき、ブルーノートは最短ルートのひとつです。
- すでに使い慣れたマイナーペンタに、E♭(♭5)を1音だけ足すと考える
- E♭は伸ばさず、素早く通過させる(D→E♭→E のような動き)と自然
- 伴奏のコードはそのままで OK。メロディー側にブルーノートを混ぜるだけで色が付きます
聴く人向け:ブルーノートを聴き分ける
「なんか渋い」「泣いてる」と感じたソロには、たいていブルーノートが潜んでいます。4度と5度のあいだで、半音だけ「外して」すぐ戻る動き——あの一瞬のにじみに耳を向けてください。とくにギターのチョーキングは、まさにこの中間ピッチを声のように歌わせる技です。固定音程に収まらない「揺れ」を聴き取れるようになると、ブルース由来の音楽がぐっと深く聴こえます。
次に試すこと
知っているギターソロやブルースのフレーズを思い浮かべ、「外れているのに気持ちいい一音」がどこにあるか探してみてください。それがブルーノートの可能性が高いです。次に、スケール辞典で同じルート A の「ペンタトニックマイナー」と「ブルーススケール」を弾き比べ、E♭を足しただけでどれだけ表情が変わるかを聴き比べましょう。音階は「正しい音」だけでなく、「あえて外す一音」で個性が出る、という感覚がつかめます。
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